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外壁
サイディングの一部張り替えの費用相場は?補修可能な症状も解説
2023.04.21
サイディング全体を張り替えるほどではないけど、一部分だけ張り替えたい。劣化している範囲や、予算の関係でそのように考える方もいるでしょう。外壁全体を張り替えるのに比べて大幅に費用を抑えることができますが、実際どのくらいの費用がかかるものなのでしょうか?
この記事では、サイディングの一部張り替えにかかる費用相場とその内訳について解説します。また、一部張り替えではなく全体的な張り替えが必要になるケースとの見極め方についてもご紹介しているので、これからサイディングの張り替えを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
サイディングの張り替えは、もっとも少ない範囲で1枚から行うことができます。補修範囲が狭く、足場を設置せずに行える1~2枚の張り替えであれば約5~6万円が相場となります。
例として、足場を設置せずに施工できる範囲でサイディング2枚分を張り替えた場合の費用相場は以下のようになります。
もちろん、上記はあくまでも例のため外壁業者によって金額は変わりますが、おおよそかかる費用のイメージとして認識していただければと思います。
続いて、各費用の内訳についてもう少し詳しく解説します。
このなかで、新築住宅で約80%のシェアを占めるのが窯業系サイディングです。セメントと繊維質などの原料としたもので、コスト、機能性、デザイン性に優れ、施工も比較的簡単なため、近年ではもっともよく使用されています。
窯業系サイディングか金属系サイディングが張り替えなどでも主流です。各サイディングの詳しい特徴やメリット・デメリットについては、外壁材の種類はどんなものがある?それぞれの特徴とおすすめを紹介の記事もご覧ください。
また、サイディング1枚の大きさは、おおよそ高さ0.5m×幅3m=1.5㎡が一般的です。こちらも費用の相場感を把握する際に役立つので、覚えておくとよいでしょう。
2階建てであれば、10~15万円ほどが足場代としてかかる可能性があります。
また、2004年以前に建てられた住宅でもともとの外壁材にアスベストが含まれていた場合、特殊な撤去作業が必要になり、追加費用が発生するため注意しましょう。
サイディングの一部張り替えで対応できる症状と、そうではない症状があります。一部張り替えで対応できるケースを紹介します。
写真のように、外壁に入ったひび割れを「クラック」と呼びます。こうしたクラックは経年劣化や、何かしらの衝撃を受けたことによって発生するケースが多いです。
軽度のクラックであれば塗装で対応することもできますが、ひび割れが幅1mmを超えるような場合はその部分のサイディングを張り替えることをおすすめします。クラックを放置しておくとそこから雨漏りを起こす可能性もあるため、早めに補修するようにしましょう。
塗膜やコーキング材の劣化により、サイディングボードの防水性が弱まって水を吸い込んでしまうことで、サイディングが反って外壁から浮いてしまったり、表面部分が剥離を起こしてしまったりすることがあります。特に窯業系サイディングは素材自体が水を吸い込みやすいため、塗膜の劣化によってこうした部分的な反りや剥がれが起こりやすくなっています。
放置しておくと剥離がさらに広範囲に広がる、建物内部にまで腐食が進んでしまい雨漏りを起こす、などの可能性もありますので、早めの補修が大切です。
サイディングの表面剥離が起きる原因と適切な補修方法については、窯業系サイディングの表面剥離 起きる原因と適した補修の記事でも解説しています。
劣化症状の進行具合や原因によっては、一部ではなく全体的にサイディングを張り替えなければならない場合もあります。全面張り替えが必要になるのは次のようなケースです。
北海道や東北地方など、寒冷地で発生しやすいのが凍害です。サイディングボードの内部に侵入した水分が凍結・融解を繰り返すことで外壁にダメージが蓄積され、外壁の表面が全体的にボロボロと剥がれてくることがあります。
このような場合は、古いサイディングボードを取り外し、内部に損傷がないかを確認する必要があります。凍害が原因で表面剥離が起こっている場合、内部の腐食が進んでいることが多いため、土台やシーリングの補修も含めて全面的な張り替えを行うことをおすすめします。
凍害について詳しく知りたい方は、寒冷地でよく起こる凍害とは!?その原因と対処法の記事もご覧ください。
直貼り工法で施工された外壁は、サイディングの裏側にすき間がなく、湿気や水分が入り込んでも逃げ道がないため、結露が生じやすくなります。その結果、表面の剥離が発生しやすい状態になっているため、サイディングの裏側に通気層を設ける「通期工法」での張り替えを行うことをおすすめします。
最後に、サイディングの一部張り替えを行う際に覚えておきたい注意点を3つご紹介します。
ただし、内部まで破損しているかどうか?などの判断は素人には難しく、新しいサイディングを張る際の技術が不足しているとかえって雨漏りや躯体の劣化につながる可能性もあります。費用を抑えるためにDIYを検討する方もいるかもしれませんが、長期的にみるとやはり専門業者に依頼した方が確実です。
また、足場の設置には資格が必要なため、2階以上の高所の張り替えは必ず業者に依頼するようにしてください。
ひび割れや剥がれなどの破損を見つけたら、できるだけ早めに業者に相談し、部分補修で済むうちに対応をしておくことをおすすめします。
・被災した災害を対象とした保険に加入していること
・被害を受けてから3年以内に申請すること
・工事費用が免責金額を上回っていること
サイディングの一部張り替えの場合、特に3つ目の条件に注意が必要です。一部張り替えにかかった費用が火災保険の免責金額よりも下回っていた場合には適用することができないため、事前に業者にも相談してみるとよいでしょう。
火災保険を適用する場合の条件や注意点については、外壁塗装に火災保険が活用できるって本当?適用条件と注意点を紹介の記事で詳しく解説しています。
ガイソーでは無料の見積もり依頼やメール相談を受け付けています。サイディングの張り替えを検討の際には、ぜひ一度お問い合わせください。
この記事では、サイディングの一部張り替えにかかる費用相場とその内訳について解説します。また、一部張り替えではなく全体的な張り替えが必要になるケースとの見極め方についてもご紹介しているので、これからサイディングの張り替えを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
サイディングの一部張り替えにかかる費用相場と内訳
サイディングの張り替えは、もっとも少ない範囲で1枚から行うことができます。補修範囲が狭く、足場を設置せずに行える1~2枚の張り替えであれば約5~6万円が相場となります。例として、足場を設置せずに施工できる範囲でサイディング2枚分を張り替えた場合の費用相場は以下のようになります。
項目 | 単価 | 数量 | 単位 | 金額 |
外壁材(窯業系サイディング) | 6,000 | 3 | ㎡ | 18,000 |
廃材処理費用 | 1,000 | 5 | ㎡ | 5,000 |
土台(透湿防水シート) | 300 | 5 | ㎡ | 1,500 |
土台(水切り板金) | 1,500 | 5 | ㎡ | 7,500 |
土台(胴縁) | 1,500 | 5 | ㎡ | 7,500 |
シーリング | 900 | 10 | ㎡ | 9,000 |
運搬費・諸経費 | 6,000 | |||
小計 | 54,500 | |||
消費税 | 5,450 | |||
合計 | 59,950 |
もちろん、上記はあくまでも例のため外壁業者によって金額は変わりますが、おおよそかかる費用のイメージとして認識していただければと思います。
続いて、各費用の内訳についてもう少し詳しく解説します。
サイディング外壁代
外壁として用いられるサイディングにはいくつか種類があり、どのサイディングを使用するかによって単価が異なります。主に使われるサイディングの1㎡あたりの相場単価は次の通りです。種類 | 1㎡単位 | 耐用年数 |
窯業系サイディング | 4,000〜6,000円 | 25〜35年 |
金属系サイディング | 3,000〜7,000円 | 20〜30年 |
木質系サイディング | 6,000〜9,000円 | 15〜25年 |
樹脂系サイディング | 7,000〜10,000円 | 20〜30年 |
このなかで、新築住宅で約80%のシェアを占めるのが窯業系サイディングです。セメントと繊維質などの原料としたもので、コスト、機能性、デザイン性に優れ、施工も比較的簡単なため、近年ではもっともよく使用されています。
窯業系サイディングか金属系サイディングが張り替えなどでも主流です。各サイディングの詳しい特徴やメリット・デメリットについては、外壁材の種類はどんなものがある?それぞれの特徴とおすすめを紹介の記事もご覧ください。
また、サイディング1枚の大きさは、おおよそ高さ0.5m×幅3m=1.5㎡が一般的です。こちらも費用の相場感を把握する際に役立つので、覚えておくとよいでしょう。
足場代
上に挙げた見積もりの例には含まれていませんでしたが、2階以上の高い箇所に施工する場合は足場の設置代がかかります。これは、職人さんが安全に施工を行うために必ず設置するもので、費用としては500~800円/㎡が相場です。2階建てであれば、10~15万円ほどが足場代としてかかる可能性があります。
シーリング代
シーリングとは、別名コーキングとも呼ばれる工程で、外壁材同士の緩衝材や防水などの仕上げとして行います。つなぎ目の長さに応じてm単位で計算され、600~900/mほどが相場です。解体・廃材処理代
張り替え工事を行う際、まずは古いサイディングを解体する必要があります。これらの解体と、古い外壁材の処理費用として1,000~1,700円/㎡程度がかかります。また、2004年以前に建てられた住宅でもともとの外壁材にアスベストが含まれていた場合、特殊な撤去作業が必要になり、追加費用が発生するため注意しましょう。
土台
新しい外壁材に張り替える前に、土台の設置を行います。土台の設置には「防水シートの設置」「胴縁の設置」「水切り板金の設置」と3つの工程に分かれており、それぞれで見積もりをとる会社もあれば、土台設置費用としてまとめて表記する会社もあります。運搬費・諸費用
そのほか、外壁材や足場などの運搬費、現場管理費として諸費用が10~15%ほどかかります。サイディングの一部張り替えで補修できる症状
サイディングの一部張り替えで対応できる症状と、そうではない症状があります。一部張り替えで対応できるケースを紹介します。クラック(ひび割れ)
写真のように、外壁に入ったひび割れを「クラック」と呼びます。こうしたクラックは経年劣化や、何かしらの衝撃を受けたことによって発生するケースが多いです。
軽度のクラックであれば塗装で対応することもできますが、ひび割れが幅1mmを超えるような場合はその部分のサイディングを張り替えることをおすすめします。クラックを放置しておくとそこから雨漏りを起こす可能性もあるため、早めに補修するようにしましょう。
部分的な反り、剥がれ
塗膜やコーキング材の劣化により、サイディングボードの防水性が弱まって水を吸い込んでしまうことで、サイディングが反って外壁から浮いてしまったり、表面部分が剥離を起こしてしまったりすることがあります。特に窯業系サイディングは素材自体が水を吸い込みやすいため、塗膜の劣化によってこうした部分的な反りや剥がれが起こりやすくなっています。
放置しておくと剥離がさらに広範囲に広がる、建物内部にまで腐食が進んでしまい雨漏りを起こす、などの可能性もありますので、早めの補修が大切です。
サイディングの表面剥離が起きる原因と適切な補修方法については、窯業系サイディングの表面剥離 起きる原因と適した補修の記事でも解説しています。
全体的な張り替えが必要になるケース
劣化症状の進行具合や原因によっては、一部ではなく全体的にサイディングを張り替えなければならない場合もあります。全面張り替えが必要になるのは次のようなケースです。凍害で表面全体がボロボロ剥がれている
北海道や東北地方など、寒冷地で発生しやすいのが凍害です。サイディングボードの内部に侵入した水分が凍結・融解を繰り返すことで外壁にダメージが蓄積され、外壁の表面が全体的にボロボロと剥がれてくることがあります。
このような場合は、古いサイディングボードを取り外し、内部に損傷がないかを確認する必要があります。凍害が原因で表面剥離が起こっている場合、内部の腐食が進んでいることが多いため、土台やシーリングの補修も含めて全面的な張り替えを行うことをおすすめします。
凍害について詳しく知りたい方は、寒冷地でよく起こる凍害とは!?その原因と対処法の記事もご覧ください。
直貼り工法で施工されている場合
2000年5月の「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」が定められる前に建てられた住宅は、防水シートの上に直接サイディングボードを張りつける「直貼り工法」が採用されている場合があります。直貼り工法で施工された外壁は、サイディングの裏側にすき間がなく、湿気や水分が入り込んでも逃げ道がないため、結露が生じやすくなります。その結果、表面の剥離が発生しやすい状態になっているため、サイディングの裏側に通気層を設ける「通期工法」での張り替えを行うことをおすすめします。
サイディングの一部張り替えをする際の注意点
最後に、サイディングの一部張り替えを行う際に覚えておきたい注意点を3つご紹介します。DIYも可能だがおすすめではない
サイディングの張り替えは、サイディング材や必要な道具を用意すれば自分で行うことも不可能ではありません。張り替える部分のシーリングをカッターナイフ当で取り外し、設置されている釘を抜くことでサイディング自体は簡単に取り外しができます。ただし、内部まで破損しているかどうか?などの判断は素人には難しく、新しいサイディングを張る際の技術が不足しているとかえって雨漏りや躯体の劣化につながる可能性もあります。費用を抑えるためにDIYを検討する方もいるかもしれませんが、長期的にみるとやはり専門業者に依頼した方が確実です。
また、足場の設置には資格が必要なため、2階以上の高所の張り替えは必ず業者に依頼するようにしてください。
破損を見つけたら早めに補修を行う
「少しくらいのひび割れ程度であれば、まだ大丈夫だろう」と思って放置していると、知らない間に内部の腐食が進行し、気づいた頃には全面張り替えを行わないといけないくらいにダメージが広がっているという事態も少なくはありません。ひび割れや剥がれなどの破損を見つけたら、できるだけ早めに業者に相談し、部分補修で済むうちに対応をしておくことをおすすめします。
火災保険を適用できる場合もある
台風などの自然災害によって外壁が破損し、その結果サイディングの張り替えを行うことになった場合は火災保険が適用できる可能性があります。火災保険を適用するためには、「自然災害による被害」のほかにも次のような条件を満たす必要があります。・被災した災害を対象とした保険に加入していること
・被害を受けてから3年以内に申請すること
・工事費用が免責金額を上回っていること
サイディングの一部張り替えの場合、特に3つ目の条件に注意が必要です。一部張り替えにかかった費用が火災保険の免責金額よりも下回っていた場合には適用することができないため、事前に業者にも相談してみるとよいでしょう。
火災保険を適用する場合の条件や注意点については、外壁塗装に火災保険が活用できるって本当?適用条件と注意点を紹介の記事で詳しく解説しています。
ガイソーでは無料の見積もり依頼やメール相談を受け付けています。サイディングの張り替えを検討の際には、ぜひ一度お問い合わせください。
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